真駒内どうぶつ病院札幌市の真駒内にある動物病院(犬の病院)です

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シニア犬に多い病気

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中高齢犬

▋ 心臓病

咳をする(運動時・興奮時・夜間・朝方・食後・飲水後など)、呼吸が粗い、疲れやすい、などの症状がみられる場合、心臓病が疑われます。症状がなくても、健康診断時などに心音の雑音が聴取されて発見される場合もあります。シニア犬の心臓病では、心臓の弁(僧房弁、三尖弁)の変性によりおきる弁膜症が代表的です。重い症状が生じる前に発見し、心臓の負担を緩和するケアを行うことで、臓器寿命を延ばすことが可能です。

▋ 腎臓病

水をよく飲む、尿が多くなる、体重が減る、などの症状がみられる場合、腎臓病が疑われます。症状がなくても、健康診断時などに尿検査や血液検査の異常から発見される場合もあります。シニア犬の腎臓病では、腎臓の線維化によりおきる慢性腎臓病が代表的です。重い症状が生じる前に発見し、腎臓の負担を緩和するケアを行うことで、臓器寿命を延ばすことが可能です。

▋ 歯周病

口臭が強くなる、歯肉が赤く腫れる、歯が抜ける、口や鼻およびその周囲から排膿や出血がみられる、顔が腫れる、などの症状がみられる場合、歯周病が疑われます。歯周病は、歯垢と歯石の付着による細菌感染の重症化が原因でおきます。歯周病は放置されがちですが、進行すると、顎の骨が溶けてしまい様々な問題を引き起こしますし、心臓や腎臓に悪影響を及ぼす要因にもなります。また、歯周病の原因菌が人体に悪影響を及ぼすこともあり、免疫力の弱い幼児、高齢者、闘病中の方などが一緒に生活している場合には特に注意が必要です。適切な治療を実施し、治療後は自宅でのホームケアを継続していくことで、歯と口腔の健康を守ることは可能です(犬に多い歯周病 犬の歯周病治療 参照)。

▋ 認知症

性格の変化、運動や五感の機能低下や麻痺、徘徊、無意味な吠え、昼夜逆転、などの症状がみられる場合、脳の病気や認知症が疑われます。原因によっては治療で改善することもあります。改善が見込めない場合も、飲食の補助、排泄の補助、褥瘡の予防、睡眠サイクルの調整、などの介護ケアは可能です。

▋ 腫瘍(がん)

体表にしこりができる(皮膚や乳腺のしこり)、リンパ節が腫れる(のど、肩、腋、膝裏などにしこり)、体重が減る、難治性の慢性症状がある(皮膚症状、消化器症状、呼吸器症状)、などがみられる場合、腫瘍が疑われます。症状がなくても、健康診断時などに画像診断や血液検査の異常から、結果的に腫瘍が見つかる場合もあります。腫瘍は、あらゆる部位(体表にも、臓器にも)に発生し、腫瘍の種類も様々です。進行する前に発見し治療を行えば、完治を望める腫瘍も存在しますし、治らない場合でも緩和ケアにより質の良い延命を望める腫瘍もあります(犬に多い腫瘍 診察内容 参照)。また、原因治療が施せなくても、がん性疼痛に対するケアなど、症状の緩和に努める治療も可能です。

▋ ホルモン(内分泌)の病気

食欲が増す、水をよく飲む、尿が多くなる、毛が薄くなる、太りやすくなる、食欲旺盛なのに体重が減る、などの症状がみられる場合、内分泌の病気が疑われます。シニア犬のホルモンの病気では、副腎皮質ホルモンが過剰になる副腎皮質機能亢進症、甲状腺ホルモンの分泌が減少する甲状腺機能低下症、インスリンホルモンの分泌が減少する糖尿病、が代表的です。最初は前述のように一見病気とは分かりにくい症状なので、その間に発見して重い症状にいたる前にケアしてあげることが大事です。

▋ 関節や脊椎の病気

どこかを痛がる(肢・背中・腰)、散歩や段差を嫌がる、などの症状がみられる場合、関節や脊椎の病気が疑われます。慢性痛の管理は生活の質の向上には大切です。